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2008.02.25 Monday  | - | - | - | 

小学校での英語導入政策について

 グローバル化が進む中、我が国においても1990年初頭から小学校外国語活動に対する検討が開始されました。そして2002年から、「総合的な学習の時間」の中で、国際理解教育の一貫として「外国語活動」をしてもよい、ということになりました。外国語活動といっても実質的には「英語活動」ということです。2003年には小泉政権の地方分権化、規制緩和政策が打ち出され、金沢市や京都市など一部の自治体は実験的に英語教育を推し進めていく「構造改革英語特区」となりました。2005年には実に全国の93.6%の小学校が何らかの形で英語教育を取り入れているということです。さらに今年に入って3月には、中央教育審議会外国語専門部会によって小学校での英語必修化が提言されました。

 小学校の先生も大変です。英語が苦手でも大嫌いでも教える必要がないはずだった小学校に、英語教育が導入されていきなり英語を教えなさいと言われても・・・。そんな先生もたくさんいるはずです。しかも、「国際理解教育の一貫として」のはずが、結局やっていることは「英語を使ったゲーム」のようなものにとどまっているケースも少なくありません。英語を使ったゲームと国際理解が一体どう結びつくのか。もっと他にやらなくてはならないことがたくさんあるはずだと思うのですが。

 文部科学省の表現によると必ずしも「英語活動」ではなく「外国語活動」となっています。なぜ日本人は外国語というとすぐにイコール英語となるのでしょうか。そして英語というとすぐに本場の英語。つまりネイティブスピーカーの英語となるのはなぜでしょう。本当に日本の白人至上主義、ネイティブスピーカー信仰は根が深い。「日本では白い肌をしていることで金儲けができる」と言われるくらいです。

 現在日本の中学高校にいるALTのほとんどが英語教育者としての免許を持っていません。ALTたちを各学校に派遣する機関は1987年に始まったJETプログラムというところです。その応募資格は実にハードルが低く、大卒であれば、教員の経験も要らないし、免許も必要ない。他には優れた英語能力を持っていること、原則として40歳未満であること、日本および日本の文化に興味があること。これだけです。実際日本にいるALTに聞いてみると、「学士さえ持っていて、英語のネイティブであれば誰でもなれる」と言うのだそうです。その何処の馬の骨ともわからぬ外国人たちに日本はかなり高い給料を払ってお客様扱いしているのです。ALT本人達も「旅行がてらに日本に行って適当に子供たちと英語を使って遊んでいたら高額が手に入る最高のバイト」という最悪の感覚で仕事を始めるわけなので、実際なにをやったらよいのかわからず、戸惑ってしまうそうです。そしてティームティーチングの日本人教師もJETプログラムがネイティブスピーカーを採用する明確な目的を知らないのでこちらもあたふた戸惑ってしまうという一体何がやりたいのかわからない状態なのです。加えて採用基準が低いため、素行の悪い人材も当然入ってくるわけです(もちろんしっかりした人もいると思いますが)。大卒であればいいわけですから。あるいは、本人に悪気はなくてもその言動、態度、(教育の場に相応しい)服装などが日本社会の常識からずれているということも少なくありません。ネイティブスピーカーの態度や服装などが、流されやすい年頃の生徒達に悪影響を及ぼす可能性は容易に想像できます。実際私の中学校に去年半年間ほどあるアメリカ人が(ALTではないのですが)英語の授業のヘルパーとしていたのですが、髪の毛はドレッドヘア、ポケットに手を突っ込んだまま挨拶をするようなヤツでした。生徒達は彼に興味津々でした。私は生徒が変に影響を受ける前に早く国に帰ってくれ、と思っていたものです。

 ちょっと話がそれましたが、現在小学校でも英語学習においてネイティブスピーカーと担任の先生とのティームティーチングをしているところも少なくありません。私達はそうまでしてネイティブスピーカーの英語が必要なのでしょうか。自衛隊の方がイラクに派遣されても、現地の人がしゃべっている英語がなまっていて聞き取れない、と言うことを聞いたことがあります。日本が今一番必要としている英語力はむしろ英語圏外の人々が、特にアジアの人々がしゃべる英語を聞き取る能力や、近隣諸国の人々と話し合うための総合的な英語力ではないのでしょうか。その中には当然政治的な専門用語やさらに政治的歴史的知識なども必要になるでしょう。そもそも、今の日本に必要な外国語は英語だけではありません。もちろん英語のプロフェッショナルも必要ですが、話し合いをしなければない国を考えれば、中国語や朝鮮語なども重要になってくるわけです。我々日本人は「外国語=英語」「国際化=欧米化」という概念をいつになったら捨てることができるのでしょうか。それから、小学校での英語教育導入は、薄っぺらい歴史教科書とともに間違いなく日本崩壊を助長する選択だと思います。あと5年もすれば、各地で先生の前でポケットに手を突っ込んだままへらへらしているドレッドヘアの小学生が現れるのでは・・・。

2006.09.30 Saturday 11:04 | comments(0) | trackbacks(2) | 英語・英語教育 | 
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