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2008.02.25 Monday  | - | - | - | 

日本人にとって英語とは何か:2

 以下は、高1の生徒に配布した「日本人にとって英語とは何か」と題したプリントである。 

★「世界共通語 = ネイティブスピーカーの英語」であってはならない!

 授業でやったように、今や英語は「世界の言語」であることは間違いありません。それは世界中で英語の母国語話者とそうでない人がコミュニケーションをはかるとき、多くの場合英語が使われるという事実からも明らかです。それどころか、もっと決定的な証拠は、非英語国民の外国人同士(例えば日本人と中国人)がしゃべる際にお互いの言語を知らない場合、会話の媒体は普通「英語」であるということです。つまり、英語はネイティブスピーカーのいないところでさえも話されているのです。これはどういうことかと言うと、非英語国民がしゃべる英語は、英米人の文明・文化を育んできた土着の言語としての英語ではなく、英米人の手から完全に離れて一人歩きをしている「意思伝達の道具」としての英語にすぎないということです。

 ひと昔前は、英語は英米人をはじめとする英語国民の母語であり、日本人から見たら一外国語でした。しかし現在では、この英語が世界中に広まり、非英語国民の英語話者の人口がネイティブスピーカーの人口を上回るということが起きています。だからこそ「英語の国際化」ということが言われるわけです。いわば、今日の英語は世界中の民族が共有する財産です。しかし、日本では未だに英語と言えば英米(あるいはオーストラリア、ニュージーランド)の言語だという意識が強い。英会話の先生といえばネイティブスピーカー。英会話学校の講師のほとんどが英米出身の白人であることが何よりの証拠です。英語をやるなら英米の英語。「英語を習いたいからインド人を呼んで来よう。」とはならないわけです。同じ英語学習者としてインド人の英語などは大変勉強になるはずなのですが。

 では、なぜ「ネイティブスピーカーの英語」ではいけないのか。その前に言語の性質について少し話をします。言語というのはその国の文化や国民性と密接な関係があります。両者は切っても切り離せない仲です。例えば、日本人の性格や文化は日本語なくしては存在し得ません。日本語が私たちを日本人たらしめているのです。我々がもしスペイン語をしゃべっていたら、歌舞伎のような古典芸能は生まれていません。「おじぎをする」という習慣も存在しないでしょう。皆さんは、「思い」と「ことば」はどちらが先だと思いますか?頭の中で「思う」から言葉にできるのか、「ことば」があるから思うことができるのか。正解は後者です。言葉がなければ「ものを思う」ことができないのです。犬や猫には言葉がないので、「思考」がありません。そして動物には「文明」や「文化」はありません。なぜなら言葉がないからです。人間には言葉があり、ものを考えることができるので、文明が生まれ文化が発展しました。しかし文明・文化は使う言語によって多種多様です。どの民族もその国に生まれたからには、先代から連綿と受け継がれてきた自国の伝統・文化を責任を持って育み、次世代につなげていく義務があります。そして「伝統・文化を受け継ぐ」ためにまずしなくてはならないことは、「自国のことばを大切にすること」です。

 ところが現在の日本を見るとどうでしょう。街には英語があふれています。お店の看板などもアルファベットやカタカナばかりです。面白いことにTシャツなどには必ずと言っていいほど英語や他の外国語がプリントしてあります。日本語が書いてあるものはむしろ「変わったTシャツ」です。日本人はなぜもっと日本語を世界にアピールしないのでしょうか。類希なる経済大国であるにもかかわらず会社名もそのほとんどがアルファベットですし、世界に誇る日本車のネーミングもほぼ100%アルファベットでしょう。外国で日本車に乗っている人からしてみたら、漢字の車名であればブランドとしての価値も上がってうれしいはずです。せっかく高性能な日本車に乗っているのにアルファベットだとどこの車だか分からない。

 昔から国内で漢字廃止論が出たり、英語公用語化論が出たりと、ある意味日本人は世にも珍しい、自国語を粗末に扱う民族です。それは有史以来、今日まで他国に侵略されて言葉を奪われたという経験を持たない日本の特徴かもしれません。現在世界にはおよそ6000の言語があると言われています。その中には、話者総数が10人、20人という絶滅寸前のものもあります。そんなことは知らず、日本では小学校にまで英語教育を導入しているという有様です。国語もろくに出来ない子供に英語を教え込む危険性を日本人は知らない。私たちは日本語をもっと大切にするべきなのです。

 やっと本題です。なぜ「ネイティブスピーカーの英語」は問題か。これを説明するには本当は10枚くらいプリントが出せるといいのですが、それでは誰も読んでくれないので、国を米国に絞ってすごく端的に理由を言うと、.▲瓮螢英語を学ぶことが、米国の文化や生活様式をもれなく連れてくる、⊆蕕襪戮日本の言葉・伝統・文化が廃れていく、F本がダメになり、世界がダメになる、ということです。

 「言語が文化と密接につながっている」ことは前述の通りです。終戦直後の日本人は、アメリカの生活様式にあこがれました。家中に行きわたる暖房や、冷たい冷蔵庫など、夢のような生活です。しかし、世界に誇る経済大国、技術大国となった現在の日本にはもはやアメリカから文化的なもので得るものはありません。むしろ科学技術などはこのへんにして、物質的に豊かになりすぎたこの国を自然と共存するような方向に向かせるべきなのではないでしょうか。アメリカという国は立派な人がいたり素晴らしい点もある反面、まったく真似すべきではないこともたくさんあるのです。アメリカ在住者による世界資源の消費率(世界比)は33%にもなるという報告もあるくらいです。つまりアメリカ式の生活を維持するためには莫大なエネルギーの消費が必要になるのです。さらに有毒性廃棄物の排出率も半端ではありません。アメリカ一国だけだから世界はなんとかもっているのであって、これを世界中の国々がやってしまうと地球はたちまちパンクしてしまう。ここに英語を米国の母語として学ぶことの大いなる危険性があります。いかに猛勉強して英語が達者になっても、カッコつけてアメリカ式の生活などするものではないのです。

 日本のように、国を挙げて全国民がある特定の外国語を習得しようという意向自体が実は大変危険なことです。自国の言葉や文化を絶滅の危機に追いやる可能性があるからです。しかし世界と渡り合っていくには英語をやらないわけにはいかない。だから日本の全国民が十分注意して英語学習に取り組まなくてはならないわけです。そのためには、まず英語はあくまでも世界共通語であって英語国の所有物ではないのだと認識することです。そして英語の前に正しい国語と日本史をしっかりと勉強すること。英語圏の文化が入ってきたことによって押しつぶされた日本の良き文化はたくさんあります。英語学習はやり方によっては日本の文化を根こそぎ抹殺できるほどの力を持っているのです。アメリカかぶれになるのではなく、日本人としての誇りを持って英語学習に取り組むことが大切です。

★ 今後、日本の英語はどうあるべきか
 
 これ以上の英語国文化の日本への入り込みを阻止すると同時に、日本には成すべき使命があります。それは、世界中へ感謝の気持ちを込めて日本の素晴らしい部分を発信していくことです。日本人は今日まで、その極めて稀有な性格をもって様々な文明・文化の良い部分を吸収し、経済・技術面において大国となることができました。そして今、世界への恩返しをするときなのです。日本の素晴らしいところは、多神教を基とした自然崇拝・先祖崇拝の精神、森羅万象との共存の精神を捨てることなく、類希なる謙虚さ・勤勉さをもって他国の優れた技術を手に入れたことです。今こそ日本人は自らの長所を再確認し、誇りを取り戻して、その素晴らしさを世界にアピールするべきなのです。そして、皆さんの英語がその日本の精神を伝えるための「道具」であってほしいと願っています。英語はべらべらカッコよくしゃべることができればいいというわけではありません。しゃべる内容がなければ全く意味がない。他国の人からも決して尊敬されません。大げさではなく、間違った英語学習は日本を崩壊させる根源だと思います。逆に私たち日本人が「道具」としての英語を上手く使いこなせば、日本を活性化させ、世界を平和へ導く大きな宝となるのです。それこそが私たちが英語を学ぶ最大の目的です。決して、ペラペラになって米人友達を作り優越感に浸るためでもなければ、海外旅行中のショッピングを快適にこなすためでもないのです。
2006.11.14 Tuesday 14:30 | comments(3) | trackbacks(2) | 英語・英語教育 | 

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2008.02.25 Monday 14:30 | - | - | - | 
ohashi (2006/11/30 4:28 PM)
あまり英語は、できませんので意思がどうにかつながれば、これでよいと思っていました。もう少し真剣に英語と言うものを考えてみたいと思います。
カルマ (2006/12/01 8:45 PM)
 コメントありがとうございます。ホームページ拝見いたしました。なんだか素晴らしい方にコメントを頂いてしまって恐縮です。私も空手を通じて世界に日本の素晴らしい武道を発信できたらと思っております。そして何よりも、今の日本の教育を立て直すのに必要なものは、他でもない武道教育だと思っております。
ありか (2011/12/10 1:27 PM)
確かにおっしゃる通りだと思いました。個人レベルで見ると英語の上達はその人の豊かさに直結していますが、国レベルで考えた時、同じような感覚で良いのか疑問に思います。英語を学ぶのは今後必要だし、なるべく早い時期から英語と関わることが上達への近道であるはずです。しかし、小学生に国際化=英語という刷り込みをしているような気がします。英語が出来ればコミュニケーションが発達し、国際理解出来る人間になると指導要領にはありますが・・・英語力と国際力を混同しているように思えるのです。まだまだ日本ではアメリカ至上主義ですね。他の国に置いていかれる前に英語への接し方を見直し、世界に誇れる日本になってほしいなと思います。









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……ですから、私は道で外国人に会ったら、絶対に英語を使っちゃいけないと言うんで
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