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2008.02.25 Monday  | - | - | - | 

国際理解教育?植民地化教育?

 言語社会学者・中村敬氏によると、小学校への英語教育の導入に対して賛成派の意見の多くを占めているのが「国際理解教育として効果がある」ということだそうです。しかし、国際理解教育=英語とはこれいかに?という疑問がわきます。どうも国際理解といえば英語とすぐに直結させてしまう輩がたくさんいて困ります。中村氏は著書『なぜ、「英語」が問題なのか?英語の政治・社会論』(三元社)の中で、以下のように述べています。

 中学から高校まで英語を「第1外国語」として半ば強制している状況は、英語以外の言語を母語とする人たちの存在を頭に思い浮かべることさえできない人間を大量につくり出している。そうした状況は民族の共生を志向する正しい意味での「国際教育」とはほど遠い。そのうえ小学生にまで英語を一律に課すようなことにでもなれば、日本人の精神の植民地化は決定的となるだろう。

 やはり現在多くの小学生が学校で英会話や英語を使ったゲームを通じて英語国の言語や文化を体得していることを大きな問題として捉えないわけにはいきません。

 私の勤務している中高一貫校で現在使われている英語教科書は、非常に排他的でひどく英米の文化に固執しており、アングロサクソン一色の教科書です。まず第2巻の1ページ目を開くと、アメリカ全土の地図が載っています。第3巻はイギリスの地図です。長文の内容も、以前このブログにも書きましたが、「エイブラハム・リンカーン」であったり、ほかにも「ジョージ・ワシントン」「パトリック・ヘンリー」「The 49ers」など、もろにアメリカの偉人や政治家などを知るためのものになっているのです。

 教科書によっては書名からして「冗談じゃない」と言いたくなるものもあります。例えば「コロンブス」です。「クリストファー・コロンブス」。アメリカ大陸を「発見」した男。先住民がいたにもかかわらず「発見」とはどういうことか。彼らアングロサクソンは、我々と同じモンゴロイドであるネイティヴアメリカンを人間とみなしていなかったのです。中村氏はコロンブスのアメリカ大陸到達が歴史的にどのような意味を持っているかということを簡潔に次の2点で表しています。

(1) 白人による先住民の大量虐殺への道を付けたこと。

(2) ヨーロッパの拡大主義の端緒となったこと。

このことは、ヨーロッパの他民族への侵略の皮切りになっているとも言えるのです。そのような名前の英語教科書をなんとも思わない日本の英語教育界は、悲しいかな精神の植民地化を象徴していると言わざるを得ません。

 アングロサクソン至上主義的な教科書は内容も日本人の生徒達の生活とはかけ離れているので、決して面白いものではありません。学校指定の教科書である以上それを使わないわけにはいきませんが、同じ長文をやるにも「もって行き方」が肝心です。そして、英語教師は生徒のためになる「日本を知り、英語で世界に発信するための」副教材を用意して授業に臨むように努力したいものです。

なぜ、「英語」が問題なのか?―英語の政治・社会論
なぜ、「英語」が問題なのか?―英語の政治・社会論

2006.10.01 Sunday 02:57 | comments(0) | trackbacks(0) | 英語・英語教育 | 

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2008.02.25 Monday 02:57 | - | - | - |