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2008.02.25 Monday  | - | - | - | 

インド英語に学べ

 インド人の独特な癖のある英語を聞いたことがあるでしょうか。非常に聞き取りにくいものではありますが、彼らはアメリカ人やイギリス人のようにしゃべりたくてもしゃべれないからインドなまりの英語をしゃべっているのではありません。彼らはインド英語に自信と誇りを持っており、英米人のようにしゃべる必要もなければしゃべることを望んでもいないのです。それは、英米人の模倣をし、少しでもネイティヴに近い発音やアクセントを身に付けることに多大な力を注いだり、またネイティヴのようにしゃべれなくてはかっこ悪い、という考えを常に持っている日本人の英語学習者とインドのそれとの大きな違いです。実はインドに限らず他のほとんどのアジアの国の英語学習者は、ネイティヴスピーカーのようにしゃべることを目標としていませんし、自国のなまりを恥ずかしいとも感じていないのが実態です。本名信行氏は著書「世界の英語を歩く」の中で、インド人が英語を必要とする理由を現地で聞いたところ次の順位だったとして以下の5つを挙げています。_奮惶蚕僂諒野で最新の情報を獲得するため。国際コミュニケーションのため。J豸譴琉磴Εぅ鵐豹佑箸離灰潺絅縫院璽轡腑鵑里燭瓠す眦戮龍軌蕕箜惱のため。コこ阿両霾鵑鯑世襪燭瓠「英語国民の文化を理解するため」という意見は全く低位であったそうです。つまり、異文化理解という目的よりも、国の発展のための武器(道具)として英語を使っている傾向があるわけです。本名氏曰く、「インド人がインド人ふうの英語を使うことは、自分は英語を話してもイギリス人ではなく、インド人であるというアイデンティティーの表現でもあるのです。」本名氏の体験談で興味深いものがあったので紹介します。

 私はある会合で、インド人に“Are you an American?"と問われたことがあります。"No. I'm a Japanese." と答えると、"Why do you speak English like an American?"(日本人なのにどうしてアメリカ人のような話し方をするんですか)と言われました。これには本当に考え込んでしまいました。(P.46)

 インドはイギリスのアジア進出の皮切りになった国です。かつて自国を植民地にした国の言語をしゃべることを必要としてはいますが、インド人としてのアイデンティティは大切にしている。発音・イントネーションもさることながら、文法・語法面においても、ネイティヴの英語にはないインド人の生活に根ざしたインドふうの言い回しなどがたくさんあります。しかし、本名氏は「このようなイギリス臭のとれた英語は、海外でけっこう評判がよいのです。アラブ諸国はインド政府に英語教師の派遣を依頼しています。インドは英語教師の輸出国なのです。インド人の英語運用能力の高さは、非母語話者のよき手本となるでしょう。」と書いています。

 かつてGHQに占領された日本は戦後180度方向転換をし、ある意味では自ら自国の文化・伝統を捨て、アメリカの言語、文化、生活様式などに自ら跳びつくように身を委ねてしまいました。その結果、一体何人なのか、文目もわかぬ正体不明人間が今の日本にはあふれています。ネイティヴスピーカー至上主義の英語教育の中で、ネイティヴスピーカーのようにしゃべり、振舞う、それこそがかっこよく、他人よりも秀でていることの証明であるかのようです。その教育で日本人の心まで奪われてしまうのなら、英語は必要悪というものです。日本人ならおじぎをしながら"hello"と言ったってよいわけです。しかし、今の日本の英語教育では「英語で挨拶するときはおじぎじゃなくて握手ですよ。」と訂正されることでしょう。我々は、英米の文化社会に同化することを英語学習の目的としてはいけません。英語学習はあくまでも、日本という国の発展のためであり、日本人のアイデンティティを世界に発信するための武器でなくてはならないのです。我々もインド英語に学ぶべき点はたくさんありそうです。

世界の英語を歩く
世界の英語を歩く
本名 信行

2006.10.01 Sunday 02:49 | comments(0) | trackbacks(0) | 英語・英語教育 | 

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2008.02.25 Monday 02:49 | - | - | - |